発熱の原因のほとんどはウイルス感染症であると言われています。一方、日本では菌血症や細菌性髄膜炎などの重症細菌感染を予防するために、発熱を認める小児に対して抗生剤による予防投与が広く行われてきました。
現在、主要な起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌(Hib)において、抗生剤に対する耐性化が進行しています。無秩序な抗生剤の使用が、耐性菌増加の原因になっています。
発熱児全員に抗生剤を投与することは、いたずらに耐性菌を増やして、重症細菌感染症の治療を困難にすることになります。既に細菌性髄膜炎を起こしている場合には、かえって診断の遅れにつながり、予後を悪化させる可能性も指摘されています。
発熱を認めるすべての小児に抗生剤を投与することは、推奨されることではありません。
Hibワクチンと肺炎球菌ワクチンをすでに導入している欧米では、重症細菌感染症が明らかに減少しています。
肺炎、中耳炎や重症細菌感染(菌血症、髄膜炎)を予防するために、日本でも肺炎球菌ワクチン・Hibワクチンの定期接種化を早急に実現する必要があります。
今回は男の子の「包茎」について、お話します。平塚市の乳幼児健診は、主に1ケ月、4ケ月、8~10ケ月、1歳6ケ月、3歳時に行なわれます。この際、男児については、おむつをはずして、必ず外陰部(陰茎と精巣・陰のう)を診察します。停留精巣、陰嚢水種や包茎の有無をチェックします。
男児の陰茎包皮の状態は、成長とともに変化します。真性包茎は新生児で100%、乳児で80%、幼児で60%、小学校低学年で40%、思春期以降は5%に認められるという報告があります。つまり、乳幼児においては、包茎であることが自然な状態であり、無理やりこの時期に包皮をむく処置は不要と考えられます。亀頭表面と包皮の癒着は、成長とともに自然に剥がれていきます。
また、包皮と亀頭表面の間に分泌物が蓄積され、白色のかたまりを認めることがあります。この蓄積物は「恥垢(ちこう)」と呼ばれます。放置しても全く問題ありません。包皮が自然にむけるまで様子を見ます。
健診の際に、「何歳までに包茎を治したらよいでしょうか?」という質問が時々聞かれます。ほとんどの場合、「自然に包皮が剥がれるので、放置していいですよ」と答えています。特に症状を認めない場合には、治療を行う必要はありません。
包皮の炎症を繰り返す場合や排尿時に尿が散逸してトイレを汚して困る場合には包茎治療を検討します。包茎の治療には、ステロイド軟膏による包皮翻転と包皮の環状切除術があります。治療を行う際には、泌尿器科・専門医に相談することになります。
【参考文献】
白柳慶之:泌尿器の診かた.小児科2010;51.11.1505-1509